食事の時間とペース


食べるときの姿勢

アーユルヴェーダでは、食べる時の姿勢について詳しく説明しています。まずは、古典の中の記述をみてみましょう!

食事の間は高い椅子に安易な姿勢で座し、適当な時刻に身体を真直ぐにし、その全精神を己の気性に適した軽い、健康的な、和軟な温かな食料を液状料理で十分に食べることにうちこみ、適当量の米飯を摂って、たとえ鋭く刺すように飢えを感じていても、あまりに急がず、またゆっくりすぎもせず食事をしなければならない。スシュルタサンヒター第1巻総論編 第46章

伝統的な日本の家屋では畳の上で囲炉裏を囲って正座になりますが、実は正座はヨーガのアーサナ(ポーズ)の一つでヴァジュラーサナ(金剛座)と呼ばれます。この姿勢になると自然と骨盤が立ち、お腹がすっと伸びた姿勢になります。この姿勢で食事をとれば内臓が圧迫されることがありません。

空腹こそが最高のスパイスである

よい食欲をもって食べた食物は、その味が快であり美である。その人の気性に適正した食物は食後の不快を起こさない。軽い食物は直ちに消化せられ、和軟な食物は体型に緊張と力を与える。温かい食物や食欲をよくし、あまりに徐(おもむろ)ならず、あまりに急がず食べた食物は平等に消化せられる。水気の多い食物は不完全には消化せられず、またいかなる酸性反応をも起こさない。食物を適度にすることは、幸福にして完全な消化に導き、身体の基礎的要素を正常状態に保つ傾きがある。スシュルタサンヒター第1巻総論編 第46章

お腹がすいてから食べたものは何でもおいしく感じますよね^^一方でお腹がすいていない時の食事はどんなに美味しいものでも、そこまで喜びはありません。 アーユルヴェーダは食事において、アグニという消化の火が正しく機能していることを何よりも大事にしています。自分にとって気持ちよくお腹がすく内容・量を常に意識するのが大事です。また、パン、シリアル、生野菜といった食事はパサパサしていて、ヴァータという風の性質を増やします。過度にパサパサなものは消化に負担がかかるだけでなく、肌の乾燥、便秘、ガスが溜まる原因にもなります。食事には汁物を加え、作り立ての温かい状態で摂るのがすすめられます。

季節毎に食べる時間を考慮する

夜間が長い寒冷の月にはその季節に自然に失調を起こす体液を抑える物質は朝の間に食べねばならない。それに対し日中が異常に長い季節にはその季節に適正する物質を午後摂取すべきである。日中と夜間が同じ長さの春と秋には食事は日と夜の中間部分で摂るべきである。 注 この規則は1日に1回食事をとる人に当てはまる。1日2回食事をする人は朝第1と1/4パーラタに軽い半食をとり、午後第3と4パーラタとの間に他半分をとる。スシュルタサンヒター第1巻総論編 第46章

上記の部分を言い換えると、冬場は冬場に体のバランスを崩す冷性、乾燥性、軽性の食べ物は朝のうちにとらなければならなりません。ということは、例えば果物や生野菜、ヨーグルト、パンなどを冬に摂るとしたらこれから日が昇って温かくなってくる朝の時間にしましょうとなります。また夏の時期は、夏に適した食べ物を午後にとるのがよいということですので、例えば夏の果物(スイカ、メロン、きゅうり、ラッシーなど)は日中最もあつくなる時間のクールダウンとしておやつの時間にとるのが良いと言えます。春や秋は日が昇っている時間の間に食事を摂ります。

食事を摂る適切な時間

食事は定められた時より早くに食べてはならず、食欲が充分でない時も良くない。同様に過食も不足食も避くべきである。不適当な時に、また体系が軽く、あるいは自在に感ずるより前に食事をすることは多数の疾患をお起し最後に死に導くこともある。定められた時より1時間長く遅れて食事をすると、ヴァータを悪化する傾きがあり、消化の火を犯して、その消化に重大な障害を生ずる。かくして胃の中で消化困難を起こした食物は、不快を招来してその次の食事に対するすべての欲望を破壊する。スシュルタサンヒター第1巻総論編 第46章

食事は、ピッタという火のエネルギーが優勢な10-14時の時間帯にメインの食事を摂り、夕食は日が暮れる前までに摂るのが消化にもっとも負担をかけません。食後に胃が重くなる人、眠くなる人、食べ疲れする人は特に食事を摂る時間に配慮します。現代日本人は夜21時以降にしっかり目の夕食をとっている人も少なくありませんが、消化が充分終わらない時間に寝ることで高血糖な状態が続くことで糖化と呼ばれる体の老化が早まることが知られています。20時以降(寝る3時間前)以降は固形のものを避けるだけで体調は大きく変わります。わかりやすいところでは朝の目覚めがすっきりします!低血圧だから朝起きれないと思っている人が多いですが、朝すっきり起きられない一番の原因は、”消化不良”です。

食事の量は少なくても多くても良くない

不足な食事は不十分な満足しか与えず、身体を弱らせる。過食はこれに反し、倦怠、身体の重い感覚、運動の嫌悪、胃の拡張、またそれに伴う腹鳴などの苦しい症状を起こす。ゆえに人は容易に消化しうるだけの食事をとるのが正しく、そしてそれはよく調理せられまた推奨に値する適当に栄養ある性状を具備するものであるべきである。食事の節度は黄金則である。なお特別の食事をする前にその欠点を考慮すること。および摂取の適時(昼か夜か)の考慮が重要である。スシュルタサンヒター第1巻総論編 第46章

食事の量は、体質、体調、季節にもよりますが、次の食事までに気持ちよくお腹がすく量が適量です。お腹がすくというのは胃がすっきりして気持ちよくお腹がグーッとなることを言っています。砂糖の摂りすぎの人は血糖のコントロールが不安定になりがちで、低血糖の反動から常にお腹がすいてしまうという人がいます。この場合にはまずは精製された砂糖(チョコやアイスなど)をやめてお料理の砂糖もきび糖、てんさい糖、メープルシロップなどを選びましょう。

また消化不良が続きお腹がすくという感じがほとんどないという人もいます。お腹が全然すかないといいう人は、野菜スープや重湯などで消化力が回復するまで胃腸を休める必要があります。