雨季(雨の時期)の養生法

アーユルヴェーダでは、夏と秋の間に雨季という季節を入れています。日本では台風や秋の長雨の時期の養生法と言えると思います。

雨の季節は、ヴァータ(風)ピッタ(火)カパ(水地)のすべてのドーシャのバランスを崩しやすいと言います。自分の体と心にあられている症状に丁寧に向き合いながら、バランスをとる食生活がすすめられます。

アーユルヴェーダの教科書では雨季について次のように書かれています。

アーダーナのために身体が弱くなると、消化の火も弱くなる。その火は雨季にはヴァータなどの不調によっていっそう阻害される。雨季には大地の水蒸気のため・雲から降る雨のため・水が三位になるために、消化の火が弱くなり、ヴァータなどが阻害されるのである。それゆえ雨季にはすべての一般的養生法がすすめられる。…昼寝・露・河の水・運動・直射日光・房事を避けるべきである。一般に飲食物ははちみつをいれたものを摂るがよい。雨季のうち、風と雨が激しく、とりわけ寒い日には、ヴァータを鎮静するために、酸味と塩味と油性の顕著なものを食べるがよい。消化の火を保護しようとする者(アグニが低下している人)は、古い大麦・古米を乾燥地生息動物の肉や豆類のスープとともに食べるのがよい。…沸騰させてから冷却した雨水・井戸水・池水を飲むがよい。ガルナシャ・ウドヴァルタナ・沐浴を常に行い、香料・花飾りを身に着け、軽く清潔な衣服を着て、湿気のない場所の雨季用の住居にすむがよい。チャラカサンヒター第1巻第6章33-40

雨季は全般的に消化力・体力が落ちるので、加熱調理した温かくて消化しやすい食事をとり、体力を消耗しすぎず、室温・湿度を調整して快適に過ごせる工夫をするのがすすめられます。