病気の種類や原因に応じて、アーユルヴェーダでは以下の3つの治療法を使い分けます。
理にかなった治療法 (Yuktivyapashraya):
適切な食物や薬物の摂取、および浄化療法(パンチャカルマ)など、論理的な医学的処置を指します。
神に依存する治療法 (Daivavyapashraya):
呪文の詠唱、宝石を身につけること、祈祷、断食、巡礼など、精神的・霊的な側面からのアプローチです。
有害な対象から心を引き離し、自己をコントロールすることによる精神的な治療です。
治療の第一歩は、病気を引き起こしている**「原因(ニダーナ)」を特定し、それを捨て去ること**です。
不均衡の原因を絶つ: アーユルヴェーダでは「不均衡を生む原因を捨て去れば、不均衡は持続せず、ダートゥ(組織)は平衡になる」と説かれています。
知性の誤り(プラッギャー・アパラータ)への対処:
病気の原因の約80%は、自分に良くないと知りながら不摂生をしてしまう「知性の誤り」にあるとされています。この誤った習慣や行為(過度の運動、不規則な食事、生理的欲求の抑制など)を止めることが、治療の核心となります。
五感の使い方の是正: 見すぎ、聞きすぎといった五感の不適切な使用を改めることも、原因を取り除くことに含まれます。
2. 反対の性質を取り入れる(サーマーニャ・ヴィシェーシャ)
アーユルヴェーダの治療における最も重要な宇宙の法則が、**「類似のものは類似を増大させ、相違(反対の性質)は減少させる」**という原則です。
■ 法則の定義
サーマーニャ(共通性・類似):
あらゆる状態を増大させる原因となります。例えば、重性の物質を常用すれば、身体の重性は増加し、軽性は減少します。
ヴィシェーシャ(別違性・相違):
状態を減少させる原因となります。病気とはあるドーシャや性質が過剰になった状態であるため、その反対の性質をもった薬物や食事を、適切な場所・量・タイミングで用いることで健康を取り戻します。
■ 具体的な適用例
各ドーシャが乱れた際、この「反対の性質を用いる原則」が以下のように適用されます。
ヴァータの乱れ(乾・冷・軽)への対応:
ヴァータが増大した時は、反対の性質である**「油性・温性・重性」**のものを用います。
具体的には、温かいオイルマッサージ(アビヤンガ)や、甘味・酸味・塩味の温かい食事を取り入れます。
ピッタの乱れ(熱・鋭・液)への対応:
ピッタが増大した時は、反対の性質である**「冷性・甘味・苦味・渋味」**のものを用います。
冷たい水や、苦味のあるギー、日光浴を避けるといった冷却のケアが推奨されます。
カファの乱れ(重・冷・遅・油)への対応:
カファが増大した時は、反対の性質である**「乾燥性・温性・軽性・辛味・苦味・渋味」**のものを用います。
激しい運動、乾燥した食事、断食、スパイスの活用などで重さや停滞を解消します。